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『採用力』について (3/3)

2010年1月18日 [人事プロデューサークラブ運営事務局]


年が明けますと、いよいよ新卒採用も本番です。人事担当の皆様にとっても、この時期になると説明会や選考の準備で忙しくなる時期ではないでしょうか。学生は試験終了後の1月下旬から2月上旬にエントリーのピークを迎え、2月下旬から3月中旬にかけて説明会を積極的に参加し、その後、面接などの選考が始まります。この回のコラムでは、<エントリー後の動機形成>と<説明会コンテンツ設計>についてご説明します。

■マインドシェアを上げる


「説明会の出席率が悪い」「説明会定員の50%しか予約がない」という声は、毎年、人事担当の皆様からよく聞きます。これは、一体何が原因かといいますと、当然、エントリー段階での採用広報力もありますが、『エントリー後に動機形成がなされてない』からです。つまり、学生としてはエントリーはしたものの、説明会に参加するほど志望していなかったということになります。
なぜ、このようなことが起こるのか、それは学生の体力には限界があるからです。2011年度卒では、おそらく学生は買い手市場の危機感から1人あたり平均80社ぐらいエントリーしたとします。その80社全ての説明会に参加することは体力的に不可能なのです。その3割、24社程度が参加可能な社数です。例年、どんな採用環境であっても、2月・3月の説明会開催のピーク時では、『平均30社』と言われています。
学生の心の中では80社エントリーした場合、説明会の予約段階では、既に興味・関心の濃淡をある程度できています。だからこそ企業は、会社説明会予約時には、ターゲット学生のマインドシェア上位3割に入ることが目標になります。
そのために重要な取り組みは、『エントリー後の継続コミュニケーション力』です。学生が欲しい・知りたいであろう情報を得るための工夫をし、それに回答することができれば、深いコミュニケーションが実現でき学生の心の中に自社の存在感を高めることができます。ある企業の例を上げますと、エントリー時に「あなたが知りたい情報は何ですか」という選択式の質問を設け、それに合わせた情報をエントリー後に学生に発信することを継続し、説明会の動員向上を実現させた例もあります。
各就職サイトでは、ブログ機能や管理画面から情報発信ができますので、それらを有効に活用することが重要です。


■説明会コンテンツ設計のポイント


説明会は初めて学生と顔を合わせる場面であり、学生にとっては、就職したい会社かどうかを評価する場面でもあります。説明会での内容や印象が、入社の決め手となるケースも多々ありますので、コンテンツ設計するにあたり重要なポイントをご説明します。
まず、説明会のゴール設定をしまします。
説明会とは、いわばターゲット学生との初デートのようなものです。デートの後で相手にどのように感じてほしいでしょうか?「まぁ、こんな人か・・・」というレベルか、「楽しかった、趣味が合うかも・・・もう一度会ってもっと知りたい」か。 説明会に置き換えてみれば、せめて「楽しかった、仕事の仕方や風土が合うかも・・・もっと知りたい」という気づき・感想のレベルを目指す必要があります。例えば、下記のようなアンケートがあったとします。
「今回の説明会に参加して、気づいたことや感じたことをお聞かせください
「これまでの就職活動中のことを振り返って思いだしたことや発見したことがあればお聞かせください」
どんな回答をしてほしいでしょうか? そこが、説明会のゴールです。その回答を引き出すために何をするか?に沿ってコンテンツを設計していくことをお奨めします。


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お問い合わせ・ご意見は人事プロデューサークラブ事務局まで

(文) 株式会社太陽企画 営業部 兼 経営企画推進部 次長  吉田 健志

<略歴>

リクルート専属代理店 株式会社太陽企画にて求人広告を中心に数百社の採用(アルバイト・中途・新卒領域)を手掛ける。
営業時代には、リクルート社より数々の表彰実績があり、現在では、太陽企画の人事として採用や育成などを取り組むと同時にお客様への採用に関するサポートも行っている。

採用について (2/3)

2009年11月13日 [人事プロデューサークラブ運営事務局]


■事業競合≠採用競合


第1回目では「厳選新卒採用時代」を勝ち抜くために、自社が求める人材を明確化し、その人材にあった、一貫した採用コミュニケーションが大事であることをご説明いたしました。とはいえ、同じ採用環境にも関わらず、成功する企業もあれば、失敗する企業もあるのが現実です。そこには、事業の競合があるように採用の競合が存在するからです。難しいのは、決して事業競合が採用競合ではないことです。

例えば、ある広告代理店が営業部隊を強化すると仮定しましょう。その会社の営業に求める人材要件が『自主性があり折衝能力が高い人』だった場合、事業競合である他の広告代理店だけが競合する人材でしょうか? おそらく欲しい人材は、他業界(メーカーやコンサルティング会社)の会社も欲しい人材であることは容易に想像できます。

つまり、事業上の競合企業を意識した採用活動を行っていたとしても、求める人材は採用できません。自社の求める人材を明確化し、かつ、<採用競合を意識した>採用活動が重要になります。


■採用競合に勝つために自社の『採用力』を分析する


採用力とは、『採用力=企業力×労働条件・処遇×採用コミュニケーション』という計算式で成り立っています。ここでは簡単にご説明しますが

・企業力

=①会社概要②認知度・イメージ③商品・サービス

・労働条件・処遇

=④職場環境⑤将来への期待⑥賃金・福利厚生

・採用コミュニケーション

=⑦採用広報⑧採用実務

といった8要素で整理されます。

採用競合と比較しながら、どの要素が採用の成否を分けそうなのか分析し、どの要素であれば改善できるかを把握し、改善可能なものについては労力と時間とお金を投資することが自社の採用力を向上させます。

見ていただくとおわかりのように、企業力は極めて改善するのに時間がかかり、かつ困難です。労働条件・処遇については多少時間がかかるものの比較的容易に改善することが可能です。採用広報・採用実務については、即時に着手できることも多く、改善することも容易です。特に中堅・中小企業が求める人材を採用する場合には、⑦⑧を創意工夫していくことで、企業力を同時に向上させていくような採用戦略が求められます。


■採用広報力・採用実務力を向上させる


採用広報力とは次のような要素で成り立ちます。


<採用広報力=広報内容×媒体力×露出度>


広報内容とは『自社の魅力要因をどう語るか』が他社と差別化されていることです。これは求人広告だけではなく説明会や選考の場で語る内容も含みます。媒体力とは、自社の魅力要因をどの媒体を利用して伝達することが最も効果的かを判断することです。媒体によって費用や情報伝達の範囲がそれぞれ違うので、採用の規模やレベルによって選択することが重要になります。露出度は、当然、露出量が多ければ企業認知促進は可能ですが、伝える魅力要因が採用競合と差別化できてないと、露出量に見合った効果が見込めない場合があります。これら3要素(広報内容・媒体力・露出度)を「いつ」「誰が」「何を」「どのように」行うかを決めるのが採用実務力となります。

ぜひ、採用競合と比べて、自社の広報内容や広報量での差別化ポイントや採用実務上(説明会プログラムや選考方法)での差別化ポイントを検証してみてはいかがでしょうか。


お問い合わせ・ご意見は人事プロデューサークラブ事務局まで

(文) 株式会社太陽企画 営業部 兼 経営企画推進部 次長  吉田 健志

<略歴>

リクルート専属代理店 株式会社太陽企画にて求人広告を中心に数百社の採用(アルバイト・中途・新卒領域)を手掛ける。
営業時代には、リクルート社より数々の表彰実績があり、現在では、太陽企画の人事として採用や育成などを取り組むと同時にお客様への採用に関するサポートも行っている。

採用について (1/3)

2009年10月21日 [人事プロデューサークラブ運営事務局]


■今どきの新卒採用事情


2009年10月1日、2011年度新卒採用の主要就職サイトが一斉にオープンしました。国内最大級の就職情報サイト「リクナビ」は、約4900社もの企業がオープン初日に参画しました。しかし、この参画社数ですが昨年同時期と比較すると約18%減っており、まさに今の景況感を表しています。一方、学生はというと10月1日時点の会員登録数は約35万人、対前年比40%増と学生の方は早くから活動しようという動きがわかります。2011年度の新卒採用環境は、昨年度に比べて企業側の採用人数抑制あるいは、採用未計画や採用凍結などにより新卒求人社数は激減していく中で、学生側は早くから就職活動に取り組み、厳しい就職戦線を戦っていかなくてはならない環境のようです。


■「新卒厳選採用時代」へ


とはいえ、この景況感にも関わらず企業側はキャリア採用(中途)より新卒採用の意欲が比較的高いのです。2010年度の新卒採用求人総数は対前年比23.5%減に対し、キャリア(中途)採用求人総数は対前年比28.3%減となっています。また、新卒採用活動社数の増減率は、わずか6.4%しか減っていないのです。つまり、新卒で採用する人数は減らすものの、新卒採用活動自体は継続していくということです。採用人数は減らすけれども、採用する学生の質にはよりこだわっていくという姿勢の表れです。

採用担当の方にとっては決して「買い手市場」ではなく、限られた約55万人の中から厳選された優秀な人材だけを狙って採用する、という極めて難易度の高い環境といえます。


■「新卒厳選採用時代」だからこそ大切にしたいこと


このような新卒採用環境において、自社で本当に活躍できる人材をいかに採用していくかが重要なテーマとなります。それを実現するための基礎になるのが「自社で活躍できる人材はどのようなことができて、どのような志向・価値観を持つのか」といった求める人材の明確化です。これが簡単のようでとても難しい部分です。学生は当然、社会人経験がないわけですから、業務経験スキルはありません。その学生の持ち合わせている「●●ができる」といった職務適性能力や「▲▲が好き、○○がしたい」といったような志向・価値観を見極め、判断する以外ありません。

企業側は、まず自社で活躍できる人材とは「●●ができる職務適性能力があり、△△な志向・価値観を持っている学生」と経営層・現場・人事が共通認識を持って言語化されていることがこの厳選採用時代を勝ち抜くための第一歩となります。


■「新卒厳選採用時代」を勝ち抜くために


自社が活躍できる人材を明確化した後は、次にその人材に対し「自社らしく、他社が言えない魅力要因」をいかに母集団形成から説明会、選考プロセス(面接など)、内定に至るまで一貫したコミュニケーション設計していくかが重要になります。中途採用とは違い、1年という長期に渡る採用活動になりますので、その都度、学生のマインドシェアを維持させていく施策が必要なわけです。つまり、厳選採用時代を勝ち抜くためには、「活躍できる人材の明確化」「刺さる魅力要因の抽出」「魅力要因の伝達手法の構築」、この3つのテーマをいかにして取り組むかにかかっています。採用はあくまで、自社の事業目標を実現するための手段でしかありません。ぜひ<自社で活躍できる人材>を採用し、日本を元気にしていきましょう。


お問い合わせ・ご意見は人事プロデューサークラブ事務局まで

(文) 株式会社太陽企画 営業部 兼 経営企画推進部 次長  吉田 健志

<略歴>

リクルート専属代理店 株式会社太陽企画にて求人広告を中心に数百社の採用(アルバイト・中途・新卒領域)を手掛ける。
営業時代には、リクルート社より数々の表彰実績があり、現在では、太陽企画の人事として採用や育成などを取り組むと同時にお客様への採用に関するサポートも行っている。

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